ledyba
エミュレータはソフトなマホウ。

Updated a year ago

0x00: エミュレータは、ソフトなマホウ。

エミュレータって、すごく不思議なソフトウェアだと思います。

テレビに繋いで遊んでいたはずのゲームが、パソコンの画面の中で動く。
パソコンとはまるで違う”カセット”をさして、
パソコンのキーボードとまるで違うコントローラを使って、
パソコンとはずいぶん雰囲気の違うゲーム画面で遊ぶものだったのに、
エミュレータを使うと、それがなぜか、いつも使ってるパソコンの中で動く。

中学生の時の私は、このとっても不思議なソフトウェアに夢中になりました。

ゲームボーイアドバンスとパソコンを繋ぐ不思議なケーブルをアキバの怪しいお店で買い、カセットの中身とセーブデータをパソコンに転送して、それをエミュレータで動かてみると…今まで小さなゲーム機の中だけで動いていたポケモンたちが、突然私のパソコンの中でも動き出したのです。

今までゲーム機という圧倒的な壁で隔てられていたと思っていたポケモンたちが、デバッガというエミュレータの機能を使うと、0と1の生の姿として触れることができました。 ゲーム内からは決して知ることのできない彼らの隠れた個性を知ることもできましたし、彼らを増やすことも、作り変える事もできてしまいました。

今までどうしてそうなるのか不思議だったゲーム内の”物理法則”も、エミュレータのデバッガを使えば、詳しく調べることができました。ちょっと難しかったけど。

話は変わります。

私は、小さい頃、魔法少女に憧れていて、魔法少女になれたらなーって思ってました。 でも、現実には魔法はないし、残念ながら、私は男みたいです。仕方が無いので、代わりに電子の世界の魔法少女―つまり、ハッカーです!―を目指すことにしました。そんな私がエミュレータに出会ったとき、これはまさに“魔法”そのものだ!とすごく興奮しました。そんなエミュレータを作れるプログラマーたちは、私にとって憧れの”魔法使い”たちだったのです。

時は流れて、私は大学生になりました。受験も終わって、長い夏休みを手に入れる事ができました。今なら、きっと私もエミュレータが作って、そんな”魔法使い”たちに近づけるんじゃないかな?

この本は、私のそんなあこがれがたくさん詰まった本です。